Column
年収400万円で、
家は買えますか
結論から申し上げます。買えます。
ただし「いくら借りられるか」と「いくらなら無理なく返せるか」は、
まったく別の数字です。ここを混同したまま進むと、あとで苦しくなります。
まず、いくら借りられるか
金融機関は「返済比率」という物差しを使います。 年収に対して、住宅ローンの年間返済額が何%にあたるかという割合です。 年収400万円なら、25〜35%あたりが上限の目安になります。
| 返済比率 | 毎月の返済額 | 借入額の目安 |
|---|---|---|
| 25% | 約83,000円 | 約3,050万円 |
| 30% | 約100,000円 | 約3,670万円 |
| 35% | 約116,000円 | 約4,280万円 |
※常陽銀行の3年固定 年0.795%(2026年9月現在)で試算した概算です。当初3年間の金利のため、4年目以降は金利と返済額が変わることがあります。頭金・諸費用は含みません。
栃木・群馬・茨城の新築建売住宅は、2,000万円台が中心です。 この表だけを見れば、年収400万円でも十分に届く水準に見えます。
ただ、この計算には落とし穴があります。
金融機関は、
実際の金利で審査していません
ここが、いちばん知られていないところです。
多くの金融機関は、審査のときに実際の金利ではなく「審査金利」という高めの金利を使います。 年3〜4%程度を用いるところが多く、これは「将来、金利が上がっても返せるか」を確かめるためです。 上の表の0.795%は3年固定の金利なので、4年目からはその時点の金利に変わります。変動金利も同じで、いまの金利が35年間続くとは限りません。
| 毎月の返済額 | 実行金利 0.795%なら | 審査金利 3.5%なら |
|---|---|---|
| 約83,000円 | 約3,050万円 | 約2,020万円 |
| 約100,000円 | 約3,670万円 | 約2,420万円 |
| 約116,000円 | 約4,280万円 | 約2,820万円 |
※審査金利は金融機関によって異なり、公表されていないことがほとんどです。上記の3.5%はあくまで一例です。なお、フラット35のように実際の金利で審査する商品もあります。
では、いくらなら
無理なく返せるのか
ここで、国の統計を1つご紹介します。
国土交通省の「令和6年度 住宅市場動向調査」によると、 実際に住宅を購入した世帯の返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)は、最も高い注文住宅でも18.4%でした。
この差が、そのまま「暮らしの余裕」だと考えてください。
年収400万円で返済負担率18%なら、年間72万円、毎月6万円ほどです。 0.795%・35年なら、借入額の目安は約2,200万円になります。
「4,280万円まで借りられます」と言われて4,280万円借りる必要は、まったくありません。 当社が資金計画をお出しするときは、上限ではなく、この「返せる額」から組み立てます。
借りられる額が
減ってしまう要因
年収が同じでも、次のようなことで金額は変わります。
- ほかの借入れがある
- 車のローン、カードのリボ払い、奨学金。これらの年間返済額も返済比率に合算されます。 月2万円の車のローンがあるだけで、借入可能額は数百万円下がります。 車のローンがあると住宅ローンは通らない?でご説明しています。
- 勤続年数が短い
- 転職直後や自営業の場合、金額以前に審査そのものが厳しくなることがあります。 自営業・転職直後の住宅ローンをご覧ください。
- 健康上の理由で団信に入れない
- 収入に問題がなくても、団体信用生命保険に加入できないと借りられないことがあります。 持病があると住宅ローンは組めない?に選択肢をまとめました。
- 借入期間が短くなる
- 完済時の年齢に上限があるため、年齢が上がるほど期間が取れず、借入額も下がります。 35年で組めるかどうかは、大きな分かれ目です。

忘れられがちな、
現金で要るお金
ここまでの数字は、すべて物件価格に対する借入額です。 家を買うときは、これとは別に諸費用がかかります。
仲介手数料、登記費用、住宅ローンの事務手数料や保証料、火災保険料、固定資産税の精算金。 「頭金ゼロで買えます」と聞いて動いて、契約の直前で慌てる方が実際にいらっしゃいます。
※中身と目安は諸費用のことに、 諸費用を借りる方法は頭金なしで家は買えるかにまとめています。
まとめ
- 1 年収400万円でも買えます 栃木・群馬・茨城の新築建売は2,000万円台が中心です。届く水準です。
- 2 ただし審査は高めの金利で行われます ネットの試算より少ない金額しか出ないことがあります。差が1,000万円を超えることも珍しくありません。
- 3 借りられる額と、返せる額は違います 統計上、実際に買った人の返済負担率は18%程度。上限まで借りる必要はありません。
よくあるご質問
ネットの試算と銀行の金額が違うのはなぜですか?
いちばん多い原因が、この記事でご説明した審査金利です。ネットの簡易試算は実際の金利で計算しますが、金融機関は将来の金利上昇を見込んだ高めの金利で審査します。ほかに、他のお借入れが合算されている場合もあります。どちらが原因かは、内容をうかがえば見当がつきます。
審査金利が低い金融機関を選べばいいのでは?
そういう考え方もできますが、審査金利は公表されていないことがほとんどです。また、審査が緩い=金利や手数料が高い、ということもあります。借入額だけで選ぶと、総額で損をすることがあります。複数を比べたうえで判断されることをおすすめします。
共働きなら、もっと借りられますか?
借りられる場合があります。ただし借り方が3種類あり、それぞれ税の扱いも、万一のときの扱いも変わります。産休や退職の可能性がある場合はとくに注意が必要です。ペアローン・連帯債務・連帯保証のちがいにまとめました。
まだ物件を決めていませんが、相談できますか?
むしろその段階でご相談いただくほうがよいです。物件を気に入ってから資金を考えると、予算が膨らみやすくなります。国の調査でも、分譲戸建てを買った方の妥協点の第1位は「価格が予定より高くなった」でした。先に「いくらまでなら無理がないか」を出しておくほうが、あとが楽です。
あわせて読みたいコラム:住宅ローンが不安で、眠れないという方へ/買ったあと、事情が変わった方へ
Contact
ご自身の数字で、
出してみませんか。
年収・他のお借入れ・ご年齢をうかがえば、
「借りられる額」と「無理なく返せる額」を並べてお出しします。
- ご相談は無料です
- 物件が決まっていなくても構いません
- 年収をうかがっても、他に共有することはありません